トピックス・アーカイブ

2019年

2019年9月6日〜7日

  
 2019年9月6日〜7日にアメリカ・クリーブランドクリニックで開催された第2回国際子宮移植学会(World Congress of the International Society of Uterus Transplantation)に阪埜浩司先生、的場優介先生、木須が参加してきました。本学会は2016年に設立され、2年ごとに開催されている学会となります。今回も多くの国から子宮移植研究者が本学会に集まり、各国の子宮移植の実施状況をはじめ、子宮移植の手術手技、術後観察、合併症、ドナー・レシピエントの適格基準、病理組織像や倫理的課題などについて多くの議論がなされました。すでに17チームで計75例の子宮移植が実施され、計20名の子どもが誕生し、国際的に急速に子宮移植が広まっていることを改めて実感しました。また、これまでドナー手術の侵襲が高いという大きな課題がありましたが、新しい術式改良により、大きく負担が減らすことが実現しております。今後も症例数は急激に増え、国際的に子宮移植がより一層展開されていくことが予想されます。
 また、2016年の当学会の設立理事として従事している木須ですが、この度も2019年から2年間の理事に選出されました。理事の出身国のほとんどは既に人での臨床応用を行っいる中、まだ人での臨床応用を行っていない我々のチームから選出された理由としては、これまで長年に基礎実験を行い、世界の子宮移植研究を当時から日本が牽引してきたからであると思われます。理事会では、この学会の今後の運営や国際的なガイドラインを作成していくことや本学会が国際移植学会(The Transplantation Society: TTS)の下部組織として機能させていくこと、などが話し合われました。今後も理事として、世界の最新の情報や動向を日本にも発信できればと思っております。
(文責:木須伊織)

学会参加した阪埜浩司先生、的場優介先生、木須

学会の様子

2019-2021年の国際子宮移植学会の理事に木須が選出

2019.06.30

 
 私は産婦人科医でありますが、子宮移植には産婦人科の知識のみならず、臓器移植医療の最低限の知識や診療能力が必須であると考え、色々なご縁もあり、東京女子医科大学腎臓外科にて約20週間の研修を行わさせて頂くことができました。東京女子医大は国内で最も腎移植を行っている病院であり、この国内留学では主に腎臓移植、膵臓移植の勉強をさせて頂きました。また臓器移植は決して手術だけではなく、術後管理や合併症・感染症対策がより重要となります。産婦人科医では経験しないような重症な合併症をもつ多くの患者様を受け持たせて頂き、研修期間中は集中治療室にいかない日がないほどでした。また、脳死ドナーの臓器提出にも参加させて頂き、深夜の手術にもかかわらず、脳死ドナー摘出の現場に集まった移植外科医の先生方の移植医療への熱い思いが伝わり、身を粉にしてでも命を救おうとする移植外科医の先生方の姿を見て感動を覚えました。このような貴重な勉強の機会を与えてくれました東京女子医科大学腎臓外科の医局員の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。
(文責:木須伊織)

東京女子医科大学腎臓外科の班長の加藤容二郎先生と

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