トピックス・アーカイブ

2018年

2018.10.22

 
 国際的にも有名な雑誌であるJournal of Clinical Medicine誌が近年注目されている子宮移植に関するテーマで特別発刊をすることとなり、その編集長として木須伊織先生が選出されました。木須先生のこれまでの数多くの基礎研究の業績が国際的にも評価され、今回の編集長の任命に至ったものと考えられます。この発刊により多くの子宮移植に関するエビデンスの高い論文が世界に知れ渡り、益々の子宮移植研究の発展につながることを期待します。

2018年5月13日

  
 2018年5月10日から13日にかけて仙台市で開催された第70回日本産科婦人科学会学術講演会にてカニクイザルを用いた子宮同種移植後に妊娠に成功したことを報告させて頂きました(子宮同種移植:他の個体に子宮を移植すること)。これまで動物実験において子宮同種移植後の妊娠はラットとヒツジしか世界でも報告されておりませんでした。ヒトでの子宮移植に成功したスウェーデンでさえも非ヒト霊長類動物であるヒヒを用いて実験を重ねておりましたが、月経回復を達成することができませんでした。私達も非ヒト霊長類動物であるカニクイザルを用いて子宮同種移植後の月経回復をこれまで報告してきました。しかしながら、なかなか妊娠まで至らず苦労しておりました。この度報告させて頂いたサルは、2017年2月に子宮移植手術をした個体です。移植後に拒絶反応をきたし加療を行い克服したところで、人工授精を3回行いましたが妊娠に至らず。次のステップとして、体外受精した受精卵を移植子宮に胚移植しました。そして、胚移植3回目で妊娠に至りました。現時点ではまだ妊娠初期ですが胎児心拍も観察でき、経過は良好です。引き続き妊娠中に大きな異常が起きないことを観察していき、健康の児が生まれることを期待したいと思います。また、本発表は同学術集会の優秀演題賞に選出され表彰されました。さらには、マスコミにも多く取り上げて頂き、社会的関心も非常に集めている研究であると感じ、今後も慎重に研究を行っていければと考えております。
(文責:木須伊織)
  • 妊娠初期の胎児
  • 胎児心拍を確認
関連情報:研究成果発表 LINK
マスコミ関係 LINK

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